PIAGGIO MP3 250RL


レポートpart 1

2007年7月31日納車決定!

写真を使ったメカニカルな説明から、性能諸元

このバンキングする姿に惚れました!





フレーム透視図
形状とすればダブルクレドールとも呼べるフレームワーク。
見るからにゴツい。
ここらへんが乗り味にも出ていますが、ものすごく剛性の強さを感じるところ。
そのかわり乾燥重量が204kgと規格外に重い。


フロントサスペンション
パラレログラム構成ツインインデペンデントテイルテイングホイール
カンチレバーサスペンション Roll Lockシステム付き
ストローク:85mm


MP3の目玉とも言える、フロントサスペンション・スイング機構のロックシステムは、以下の状態で機能しますと取扱説明書に記述されています

●スロットルが完全にオフの状態
●エンジン回転数が2,500rpm以下であること
●車両のスピードが10km/h以下であること


これを実際の運用方法に置き換えてみると、早めに右手(フロントブレーキ)での強い制動を終わらせて、右手のアクセルを完全に戻し、左手(リアブレーキ)で速度を微調整しながら10km/h以下に持ち込めばいつでもロック出来ると言うこと。

ちなみにロック出来る状態はインジケーターランプの点滅で知らせてくれるのですが、慣れてくればメーター内にあるモニターを注視していなくてもロック出来るようになりますし、実際にロックされたかはインジケーターランプとヘルメットを被っていても聞こえる音量のブザーで教えてくれるので安心です。
ちなみに再発進の際にもロックが解除されたことをブザーとインジケーターランプで教えてくれます。

あとフロントサスペンション・スイング機構の事をメーカでは「エレクトロハイドローリック・フロントサスペンション・ロッキングシステムを装備、停車時にサスペンションダンパーをロックして車両を自立させます」と説明していますし、とあるバイク雑誌では「スピードが遅くなると(20キロ以下)サスペンションが自動制御となって車体のフラツキを抑え、信号停止時にロック操作をハンドルスイッチでマニュアル操作することにより、ストップした際はサスペンションのスイング機構及びサスペンションダンパーがロックされる仕組みを持ちます」と記述されていました。
そして実際に乗車状態でロックした後にメインスタンドを掛けてから空車状態でロックを解除すると、フロントサスペンションが「ビョン!」ってな感じで伸びてきます。

どこにもフロントサスペンションの詳細な説明がないので、想像するしかないのですが、これらのことを総合して考えると、単純にスイング機構のみを機械的にロックしているだけではなく、2本有るフロントサスペンションのダンピング機構、細かく説明するとダンパーオイルがオリフィス内を行き来することによってフリクションを得てダンピングを発生している部分を、強制的に閉鎖することによってサスペンション自体の動きも同時にロックさせているのではないかと想像します。


独創的なフロントサスペンションの仕組みを理解してもらうために、メーカーHPから仕組図をもらってきました

@はステアリングステム軸ですが、このステアリングステム下端にシーソーのようなレバーが上下2本付いており、矢印で示したレバー両端が2組の片持ちフロントサスペンションに取り付けられています。
これにより、通常のバイクと同じようにキャスター角及びトレールが得られ、2組の片持ちフロントサスペンションが各々別々に機能できる仕組み。

車体がバンクするとシーソー状のカンチレバーが、四辺が固定された平行四辺形が変形していくような形で変形し、これにより通常のバイクと同じようにバンキング出来るわけです。

Aは簡略化された透視図だが、これを見たほうが理解しやすいか。

矢印で示したのは2本有るフロントサスペンションのダンピング機構、細かく説明するとダンパーオイルがオリフィス内を行き来することによってフリクションを得てダンピングを発生している部分を、強制的に閉鎖することによってサスペンション自体の動きも同時にロックさせている装置なのではないかと想像します。


B矢印で示した部分を見ると、まるでブレーキディスクとキャリパーのように見えますが、これがまさにスイング機構をロックする装置ではないかと想像します。

透視図と実写。







ここまでの説明ではいまいち理解できないと思いますので写真に解説付きでもう一度。



直立状態でハンドルを目一杯左に切ったところを真上から撮影した画像。

写真向かって左側(右前輪)が若干前に出ている様子が解ると思いますが、なぜこうなるかと言えば

パラレログラム構成ツインインデペンデント・テイルテイングホイール・カンチレバーサスペンションをバイクの右下から覗き込んだところ。

青の点で示したのがステアリングステム軸、青矢印で示したのが下側のステムベアリング、ここから下の写真に写っているステアリングアームが前方に伸びていて、この先端にピロポールを介して緑矢印で示したステアリングロッドが取り付けられています。

またアルミ鋳造の上下2つのカンチレバー両端には赤点線で示した独立した片持ち式Fサスペンションのステムシャフト(以後第2のステムシャフトと記述)が取り付けられているのですが、これは黄色丸で囲まれたベアリングを介したアウターケースで位置決めされており、アウターケース自体も進行方向と同じ方向(黄色の実線)に赤矢印で示したボルト(シャフト)でカンチレバーに取り付けられています。

ここで疑問。
青の点で示したのがステアリングステム軸と、赤点線で示した片持ち式Fサスペンションのステムシャフト軸とが平行でないこと。
たぶんキャスター角とトレールに関係しているとは想像するのですが詳細は解りません。







 
上の写真:赤矢印はフレームのアンダーループ。青矢印は下側のステアリングステムベアリング、ここからステアリングアームが前方に伸びていて、この先端にピロポールを介して緑矢印で示したステアリングロッドが取り付けられています。


左写真:青矢印は下側のステアリングステムベアリング、ここからステアリングアームが前方に伸びていて、この先端に緑矢印で示したピロポールを介して赤矢印のステアリングロッドが取り付けられています。

緑矢印で示したステムシャフトに取り付けられたステアリングアームと、赤矢印のステアリングロッドの関係を示したもの。

この写真ではハンドルを目一杯右に切っています。



つまり緑矢印で示したステムシャフトに取り付けられたステアリングアームに押されて、赤矢印のステアリングロッドが右に移動し(下記へ)

赤点線で示した第2のステムシャフトを軸にして、赤矢印のステアリングロッドに押されて、2組の片持ち式Fサスペンション全体が連動して右方向に舵を切ります。


つまりカンチレバー自体の向きは常に車体に対して直角方向で固定されており、その両端に固定された第2のステムシャフト軸から伸びるプレート状のアームに片持ち式Fサスペンションが第2のステムシャフト軸に対して内側・前方にオフセットされて取り付けられている為、冒頭の写真の様に、直立状態で目一杯ハンドルを切ると、片方のタイヤが若干前に出るのではないかと想像しますが、確定的なことは解らず。

赤丸で囲った部分が「エレクトロハイドローリック・フロントサスペンション・ロッキングシステム」の装置の内、Fサスペンションのストローク固定と、ダンピングコントロールをしていると思われる部分。

もしかしたらオリフィス閉鎖ではなく、単純に赤矢印で示したロッドを油圧で挟み込んで固定しているだけかも?

今後調べていきます。


青丸内はホイルにブレーキディスクを取り付けているボルトの頭(青矢印)を拾うスピードセンサー用のピックアップ。
これは左右前輪両方に設置されています。

「エレクトロハイドローリック・フロントサスペンション・ロッキングシステム」の装置の内、バイクの傾きを固定する装置。

前述の通り、青矢印で示したブレーキディスクと、赤矢印で示したキャリパーで構成されているようです。


青矢印で示した部分には、すでにパッドで擦ったような跡が付いていますが、こんなにバンキングした状態でロックした覚えはないので、いわゆるブレーキの引きずりと同じような現象が起きているのかも。

それとも低速域では「サスペンションが自動制御となって車体のフラツキを抑え」とも書かれていましたので、その跡かも知れません。

改めて「パラレログラム構成ツインインデペンデント・テイルテイングホイール・カンチレバーサスペンション」を眺める(笑)


直立状態で左へハンドルを切る 直立状態で右へハンドルを切る


バンクさせた状態でロック 片輪が障害物に乗っていても、地面に対して垂直状態でロック可能





性能諸元


全長/全幅/全高 2130/745/1490
シート高(mm)
780
乾燥重量(kg)
204kg
エンジン種類
ピアジオクオーサーエンジン
SOHC、4ストローク4バルブ、液冷単気筒
ボアー/ストローク 72.0mm/60.0mm
総排気量
244.3cc
気筒数配列
単気筒
最高出力(kW/r/min)
16.5Kw(22.5Bhp)/8,250rpm
最大トルク(N・m/r/min)
21Nm/6,750rpm
点火方式
CDI イグニッションシステム
トランスミッション オートマチックCVTシステム
インジェクシヨン (吸気方式) ポートインジェクテッド ALFA/N タイプ
始動方式
セル
燃料タンク容量(L)
12L内リザーブ1.8L
エンジンオイル容量(L)
1L
タイヤサイズ/タイヤ銘柄
フロント、チューブレス 120/70-12" 51P ×2
リア、チューブレス 130/70-12" 62P
ミシュラン・パイロットスポーツSC
懸架方式 前・後
●Fサスペンション
パラレログラム構成ツインインデペンデントテイルテイングホイール
カンチレバーサスペンション Roll Lockシステム付き
ストローク:85mm
●Rサスペンション
ダブルハイドローリックショックアブソーバー
ストローク:110mm
制動装置 前・後
●フロント ツインシングルディスク240mm径 2ピストン30mm径
●リア シングルディスク240mm径 対向ピストン30mm径
乗車定員(名)
2名
最高速(km/h)
125Km/h   ※メーター読み実測:140km/h(平地にて)
メットインスペース
65L ジェットヘルメット2ヶ 他収納可
盗難防止システム イモビライザー
メーカー国籍
イタリア


     
     

 

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