●参加者
一般参加者42名 (うち大人33名・子供9名)
ボランティアスタッフ15名 (ナチュラルアクション12名・ワイルドウォーター3名)
●使用ボート
ナチュラルアクション6艇(INCEPT 8人乗り)
ワイルドウォーター1艇(RIKEN 8人乗り)
●内容
12:00 参加者、芝川町役場駐車場に集合
受付・免責同意書にサイン
ボランティアスタッフによるスタート地点の清掃活動
12:30 ナチュラルアクションリバーベースにて着替え
13:00 参加者・ボランティアスタッフ、スタート地点集合
開会式
ナチュラルアクション代表・佐野文洋挨拶
スケジュール・ごみ分別方法説明
ボートの振り分け
13:15 セーフティートーク。ボートに乗って釜口峡へ。ボート上で釜口峡の説明 |
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13:50 ボートに乗って川下り
14:15 富原橋上流河原にて清掃活動 |
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14:30 富原橋上流河原にて水辺の安全講習
JpSART理事・○○祐一挨拶 |
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ナチュラルアクション・ワイルドウォータースタッフによる安全講習
(川に潜む危険個所の説明・もし水難事故に遭遇したときの対処方法
・レスキューロープによる救助法のデモンストレーション等)
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15:10 ボートに乗って川下り
(ボート上で富士川の歴史・富士川に生息する動植物・富士川の地形の説明等)
15:50 逢来橋上流河原・下流河原、2グループに分かれて清掃活動
16:15 ゴール → ナチュラルアクションリバーベースへ
16:30 ナチュラルアクションリバーベースにて着替え
17:00 閉会式
ナチュラルアクション代表・佐野文洋、御礼の挨拶
参加者・ボランティアスタッフ全員で記念撮影
解散
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活動報告 |
●清掃活動
富士川河原5箇所にて実施。参加者全員一人に付き1袋のゴミ袋と軍手を持参した。
可燃物・不燃物・カン・ビン・ペットボトルに分別し、合計で約675リットル(45リットルゴミ袋×15袋)を収拾。芝川町役場のゴミ置き場に保管してもらった。
●水辺の安全講習
富原橋上流左岸にて実施。対象は一般参加者42名全員。講師はボランティアスタッフ7名(ナチュラルアクション6名・ワイルドウォーター1名で、全員がJpSARTの会員)。講習内容は、川の危険個所や構造の説明・PFD(ライフジャケット)の重要性・水難遭遇したときの対処方法や優先順位・レスキューロープによる救助方法のデモンストレーション等。参加者が実際にレスキューロープを投げてみたり、ビクティム役になって川に流されたりした。
所要時間は約40分。
(講習インストラクター:大関慎介)
本日の講習には2つの柱があります。一つは「自己防衛法」そしてもう一つは、
「初歩的なレスキュー方法」です。
(実演も含めて約30分。ラフトツアー用のセーフティートーク済みとする)
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自己防衛法について
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1.予備知識を持つ
●川に遊びに行く前に事前に確認しておく
天気予報(上流域も)、ダムの有無を地図で確認(放水時間)
●遊び場所での確認項目(ロケーションの確認)
トロ場と急流域の確認、下流に堰堤は無いか、テトラポッド等人工物や
流木の有無、遊漁船やジェットスキー等の船舶、危険な個所には近づか
ない等。
●危険個所は講習後、実際にラフトで下りながら説明する
水苔(滑る)、ストレーナー(テトラ・流木)、スタンディングウエー
ブ下の岩(エン・トラップメント)、ヘリカルフロー(反転流)、カレ
ント及びエディー、エディーフェンス、ホール、ラップ岩(橋脚等)
●川の特徴
@動いている(流れている)A水圧があるB流れを読むことが出来る
●ホワイトウオーターとは、水の中に空気が40〜60%含まれている
海水に比べ、川などの淡水は浮きにくい、ここではPFDを付けていて
も浮きにくい
2.PFDの着用
パーソナル・フローティング・デバイスの略(ライフジャケット)
ツアーに使用している物は浮力10キロ(体重75キロの人間を浮かす
には十分)PFDに限らず、何らかの浮力体を(浮き輪、ペットボトル)
●PFDの必要性
例えば海でモーターボート等で遊ぶ場合や、ジェットスキー、そしてラ
フティングなどのウオータースポーツをやる時は必ずPFDを付けます。
最近では釣り人の間でも着用率が上がってきていますが、何故付けるの
か?それは、PFDを付けることによって、実際に事故にあった時に、
圧倒的に死亡率が下がることが理由です。
●最近の事故例の報告(着用と未着用)
海へモーターボートで家族5人で遊びに行って、まず一人子供がボー
トから落ち、父親が助けに行くが溺れ、それを見た母親も飛び込んでし
まい、結局3人は死亡した。
残された小さな子供2人は見よう見まねでボートを操縦して岸にたどり
着き無事。PFD未着用と思われる。
静岡県内で20日(木)起こった高校生2人が水上バイクで海に出た
まま行方不明。夕方5時頃海岸に打ち上げられて、バラバラになった水
上バイクを発見、その後、7時半頃陸上で無事発見保護。
PFDを装着していたものと考えられる。
3.自分が急流に流されてしまったら
●パニックにならない
(助かるものも助からなくなる。落ち着いて回りの状況を見る)
●体の力を抜いて、息が吸えるときに目一杯吸い(浮力の増加)、流れが
あるところではWWFPでやり過ごし、無駄な体力を使わない。
淡水では浮きにくい。ホワイトウオーターでは人間単独ではまず浮かな
い。フットイントラップメントの回避。
●自然の川というのは急な流れが有れば、必ずトロ場も存在するので、流
れが穏やかになったところで、泳いで脱出する。
●フェリーアングルの説明・実演(川の流れを逆に利用すること)
実演:川の流れに対して90度で泳いで渡る。上流45度で泳いで渡る。
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初歩的なレスキュー方法について(事故遭遇に対しての対処法)
実際に川で誰かが溺れながら流されてきたら......
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1.どうやって助ける?の前に覚えて欲しいこと。
(レスキューの優先順位)
@セルフレスキュー(自分の安全)
Aチームレスキュー(複数で助けようとした時、その人達の安全)
Bビクテムレスキュー(要救助者の安全)
●水難事故で恐ろしいのは、要救助者を助けようとして起こる2次的事故
の死亡率が高い。どんなに泳ぎがうまくても、実際にそこで溺れている
人がいる以上、自分が溺れないという保証はない。もし助ける側が、溺
れてしまうことによって要救助者2名どころか、救助現場がより一層困
難な状況になるだけ。
※上記2項目が確保されて初めて行動を起こすべきである。
2.どうやって救助するのか?(レスキューテクニックの基本原則3S)
@シンプル(簡単な方法であること)
Aスピーディー(迅速に行えること)
Bセーフティー
(安全であること。要救助者に対しても。状況の改善、改悪にならないよ
うに)
※この説明が終わった後、突然叫び声が........
●実際に上流から助けを求めながらビクテム役が流れてくる......
さあ皆さん!あの人を今までの講習に基づいてどうやって助けたらよいでしょう?
参加者に意見を出してもらう。
(木の枝、ペットボトル、浮き輪、ロープ、パドル、ラフトボート等を
それとなく置いておき、ヒントにする)
※参加者の意見を尊重しながらまとめる。
@叫ぶ(陸上から勇気付けたり、指示を出す)
A差し出す(木の枝やパドルなど)
B投げる(何らかの浮力体や、ロープ)
↑陸上から出来ること(リスクレベルが低い)
↓水上に出なければならない(リスクレベルが上がる)
C漕ぐ(ボートやカヌー、エアマット等)
D泳いで行く
(泳いで行く以上、要救助者を抱えて泳いで帰ってこなければならない)
●普段皆さんがつい行動を起こしてしまいがちな、D泳ぐというのは、一
番リスクが高くて、2次的事故に遭遇した場合、死亡率が高いというこ
とを知ってもらいたい。もちろん、家族や恋人が目の前で溺れていたら、
こんな事を考えてられないのかも知れませんが、より多くの残された者
の悲しみが増えることは覚えておいて欲しい。
●我々が日常的に使い、また一番勧める救助方法
リスクレベルの低いB投げる。スローバックという救助用具を使う方法
の説明・実演。
5千円ほどで購入できるが、ロープの先に少しだけ水を入れたペットボ
トルを結び付けたもので代用することも出来る。
※希望者には実際にスローバックを投げてもらう。
ビクテム役はもちろんスタッフ。
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●全体
水位は少なめだが気温が高く、水に浸かっていて気持ちよかった。ボート上では各ガイドが富士川の歴史・動植物・構造の説明をし、参加者も普段身近にある富士川の知らない部分を知ることが出来たのではないか。同時にラフティング・清掃活動を共におこなったことにより、同じボートのメンバーとのふれあいができ、親交を深めることが出来た。また安全講習においては、夏休みに入り川などで遊ぶ子供達が増加する時期なので良いタイミングだった。少しでも川に於ける知識を持っていれば、川の水難事故は減少するであろう。そういった意味で今回の講習は役に立てたのではないだろうか。
また残念だったのは、あまりにも河原にゴミが多いことである。河原で遊ぶ人や釣り人によるゴミがほとんどである。我々も川で遊ばせてもらっている人間の一人だが、川は常にきれいに保ちたいと強く感じた。それが人間と自然の良い調和ということに繋がるのではないか。
参加者の方も皆さん熱心に活動してくれて、全行程終了後もとても満足してくれたようだった。安全面には細心の注意をはらったが、おかげで一人も怪我なく終了した。
最後にご協力いただいたボランティアスタッフの皆様、ご後援いただいた芝川町役場・芝川町教育委員会の皆様、また協賛いただきましたコロンビア・スポーツウェア・ジャパン、ご協力いただいた潟純Cルドウォーターの皆様、そして何と言っても参加者の皆様、誠にありがとうございました。 |
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