2000年7月23日 富士川クリーンリバーラフティング 事業報告書
JpSART-MLより
7月23日の日曜日に「富士川クリーンリバーラフティング」と銘打ち、
ナチュラルアクションの2周年記念と、JpSART富士川分駐所・啓蒙活動
第1段をかねて開催いたしました。
今回の企画には地元芝川町と、芝川町教育委員会のご後援をいただき、当日は
大勢の一般参加の方々やプライベートながら地元消防署員の方も多数参加して
下さり、ほんと、大盛況の内に終わることが出来て、ほんと良かったです。
ま、正直なところ無事終わって、ほっと一安心....が、正直な気持ちです(笑)
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富士川クリーンリバーラフティング事業報告
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平成12年7月23日 午後0時より午後5時まで
主催:ナチュラルアクション 共催:JpSART富士川分駐所
後援:芝川町/芝川町教育委員会
後援内容は、
役場駐車場の利用、収集ゴミの無料処分、河川利用の為のゲートの鍵貸与、
拡声器の貸与。
協力:Columbia
当日のスタッフユニホームの半額提供
参加者
・一般参加者 31名
(うち、消防署員8名)
・陸上班ボランティア 9名
・水上班ボランティア 8名
(うち、JpSART講習に関わった者8名)
12:00 芝川町役場・集合・受付
活動趣旨を説明し、ラフティングツアー免責誓約書にサイン後、国内旅行
傷害保険料として500円のみ徴収。
順次、リバーベースへナチュラルアクションのマイクロバスで輸送。
リバーベースにて、着替え及びPFD・ヘルメット・パドルの貸与。
着替えが終わり次第、芝川町役場へもう一度マイクロバスで輸送。
釜口橋下流左岸へ徒歩で移動
13:00 開会式
・ナチュラルアクション代表挨拶(佐野文洋)
・本日のスケジュールの説明
・ゴミの分別方法の説明
・ボート割りの発表
13:15 セイフティートーク
13:30 ラフトボートを使って水遊び
釜口峡下流左岸より出発、200m程漕ぎ上がり、釜口峡内トロ場にて
PFD装着の効果の実体験及び水遊び。
富士川の芝川町役場前付近へラフトを使って移動(左岸)
14:00 JpSART主催の河川安全講習会
・JpSART理事挨拶(○○祐一)
・安全講習会
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(講習インストラクター:大関慎介)
本日の講習には2つの柱があります。一つは「自己防衛法」そしてもう一つは、
「初歩的なレスキュー方法」です。
(実演も含めて約30分。ラフトツアー用のセーフティートーク済みとする)
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自己防衛法について
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1.予備知識を持つ
●川に遊びに行く前に事前に確認しておく
天気予報(上流域も)、ダムの有無を地図で確認(放水時間)
●遊び場所での確認項目(ロケーションの確認)
トロ場と急流域の確認、下流に堰堤は無いか、テトラポッド等人工物や
流木の有無、遊漁船やジェットスキー等の船舶、危険な個所には近づか
ない等。
●危険個所は講習後、実際にラフトで下りながら説明する
水苔(滑る)、ストレーナー(テトラ・流木)、スタンディングウエー
ブ下の岩(エン・トラップメント)、ヘリカルフロー(反転流)、カレ
ント及びエディー、エディーフェンス、ホール、ラップ岩(橋脚等)
●川の特徴
@動いている(流れている)A水圧があるB流れを読むことが出来る
●ホワイトウオーターとは、水の中に空気が40〜60%含まれている
海水に比べ、川などの淡水は浮きにくい、ここではPFDを付けていて
も浮きにくい
2.PFDの着用
パーソナル・フローティング・デバイスの略(ライフジャケット)
ツアーに使用している物は浮力10キロ(体重75キロの人間を浮かす
には十分)PFDに限らず、何らかの浮力体を(浮き輪、ペットボトル)
●PFDの必要性
例えば海でモーターボート等で遊ぶ場合や、ジェットスキー、そしてラ
フティングなどのウオータースポーツをやる時は必ずPFDを付けます。
最近では釣り人の間でも着用率が上がってきていますが、何故付けるの
か?それは、PFDを付けることによって、実際に事故にあった時に、
圧倒的に死亡率が下がることが理由です。
●最近の事故例の報告(着用と未着用)
海へモーターボートで家族5人で遊びに行って、まず一人子供がボー
トから落ち、父親が助けに行くが溺れ、それを見た母親も飛び込んでし
まい、結局3人は死亡した。
残された小さな子供2人は見よう見まねでボートを操縦して岸にたどり
着き無事。PFD未着用と思われる。
静岡県内で20日(木)起こった高校生2人が水上バイクで海に出た
まま行方不明。夕方5時頃海岸に打ち上げられて、バラバラになった水
上バイクを発見、その後、7時半頃陸上で無事発見保護。
PFDを装着していたものと考えられる。
3.自分が急流に流されてしまったら
●パニックにならない
(助かるものも助からなくなる。落ち着いて回りの状況を見る)
●体の力を抜いて、息が吸えるときに目一杯吸い(浮力の増加)、流れが
あるところではWWFPでやり過ごし、無駄な体力を使わない。
淡水では浮きにくい。ホワイトウオーターでは人間単独ではまず浮かな
い。フットイントラップメントの回避。
●自然の川というのは急な流れが有れば、必ずトロ場も存在するので、流
れが穏やかになったところで、泳いで脱出する。
●フェリーアングルの説明・実演(川の流れを逆に利用すること)
実演:川の流れに対して90度で泳いで渡る。上流45度で泳いで渡る。
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初歩的なレスキュー方法について(事故遭遇に対しての対処法)
実際に川で誰かが溺れながら流されてきたら......
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1.どうやって助ける?の前に覚えて欲しいこと。
(レスキューの優先順位)
@セルフレスキュー(自分の安全)
Aチームレスキュー(複数で助けようとした時、その人達の安全)
Bビクテムレスキュー(要救助者の安全)
●水難事故で恐ろしいのは、要救助者を助けようとして起こる2次的事故
の死亡率が高い。どんなに泳ぎがうまくても、実際にそこで溺れている
人がいる以上、自分が溺れないという保証はない。もし助ける側が、溺
れてしまうことによって要救助者2名どころか、救助現場がより一層困
難な状況になるだけ。
※上記2項目が確保されて初めて行動を起こすべきである。
2.どうやって救助するのか?(レスキューテクニックの基本原則3S)
@シンプル(簡単な方法であること)
Aスピーディー(迅速に行えること)
Bセーフティー
(安全であること。要救助者に対しても。状況の改善、改悪にならないよ
うに)
※この説明が終わった後、突然叫び声が........
●実際に上流から助けを求めながらビクテム役が流れてくる......
さあ皆さん!あの人を今までの講習に基づいてどうやって助けたらよいでしょう?
参加者に意見を出してもらう。
(木の枝、ペットボトル、浮き輪、ロープ、パドル、ラフトボート等を
それとなく置いておき、ヒントにする)
※参加者の意見を尊重しながらまとめる。
@叫ぶ(陸上から勇気付けたり、指示を出す)
A差し出す(木の枝やパドルなど)
B投げる(何らかの浮力体や、ロープ)
↑陸上から出来ること(リスクレベルが低い)
↓水上に出なければならない(リスクレベルが上がる)
C漕ぐ(ボートやカヌー、エアマット等)
D泳いで行く
(泳いで行く以上、要救助者を抱えて泳いで帰ってこなければならない)
●普段皆さんがつい行動を起こしてしまいがちな、D泳ぐというのは、一
番リスクが高くて、2次的事故に遭遇した場合、死亡率が高いというこ
とを知ってもらいたい。もちろん、家族や恋人が目の前で溺れていたら、
こんな事を考えてられないのかも知れませんが、より多くの残された者
の悲しみが増えることは覚えておいて欲しい。
●我々が日常的に使い、また一番勧める救助方法
リスクレベルの低いB投げる。スローバックという救助用具を使う方法
の説明・実演。
5千円ほどで購入できるが、ロープの先に少しだけ水を入れたペットボ
トルを結び付けたもので代用することも出来る。
※希望者には実際にスローバックを投げてもらう。
ビクテム役はもちろんスタッフ。
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講習会終了後、ボートに再乗船
14:30 ラフティングツアー・スタート
14:45 富原橋上流左岸側で清掃活動開始
可燃物、不燃物、ペットボトル、缶、ビンの5種類に分けて収集し、
一カ所の集めて陸上班が回収
15:00 再乗船・移動開始
15:45 蓬莱橋付近にて清掃活動開始
ボート毎に3つのグループに分け、蓬莱橋上流右岸・左岸・下流左岸を
清掃活動
16:00 蓬莱橋下流左岸にてツアーフィニッシュ・上陸
ナチュラルアクション・マイクロバスにてリバーベースへ回送・着替え
17:00 閉会式(リバーベース)
・ナチュラルアクション代表挨拶(佐野文洋)
閉会式終了後、芝川町役場まで、参加者をマイクロバスで輸送。
19:00 打ち上げ 以下、内緒(笑)
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今回のイベントでは、全ての機材等をナチュラルアクションから、
JpSARTが無料貸与を受けている形とし、JpSARTとしての金銭の出
入りはありません。つまり、イベント内の「川における安全講習会」のみが、
JpSARTの活動内容と位置付けて有ります。
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