「またまたやってしまいました」のPart6
たぶん最終報告です


写真はクリックすると拡大画像となります


10/19(水曜日)ようやく警察立ち会いの現場検証が行われました。



事故後、体が自由に動かせるようになってから何度か事故現場へ行こうと思いましたが、何故か今回は足が向きませんでした。事故後すぐに友人が詳細な現場写真を撮って来てくれていたこともあるし、近いうちに警察の現場検証立ち会いもあるし、その時でいいやとか考えていたのも事実ですが、なんとなく避けていたのかも。


そして表題に有るとおり、事故直後から警察署からは現場検証への立ち会いを求められていたのですが、何と言っても重傷での入院でしたので無理。その後、退院後に診断書を提出した時に「後日連絡しますので」から早1ヶ月、ようやく警察署から連絡があり、パトカーで事故現場へ行ってきました。


パトカーで移動中も事情を聞かれたのですが、「直接の転倒原因は?」との問いには「前輪のグリップを突然失い、前兆現象も無く気がついたら右ハンドルが路面をこすっていました」と答えたものの、自分自身も前ページで無理矢理「タイヤ劣化論」という結論に結びつけたものの、実際には未だに自分の中では完全に消化しきれないでいましたから、「オイルなり、小石なんかを踏んだのかも知れませんね」と答えていました。

実際に普通、前輪が滑る時にはステアリングが切れ込んだりと前兆現象が必ず有り、もちろんそこから立て直せるかはケースバイケースだけど、オフロードでは日常的なことだし、アスファルト上でも何度か経験して足で路面を蹴ることで立て直せたり、急激にバイクを起こして回避したりと経験は数知れずある。

だけど今回は本当に前兆現象を感じることなく、気がついたら転んでいた...........
絶対にフロントタイヤのグリップを急激に失う原因が有ったはず.........

事故から2ヶ月が経つというのに、現場にはまだ生々しく右ステップが路面を削り取った跡が残っていました。

そこで自分がぶつかったであろうガードレールの支柱を背にしてしゃがみ、削れた跡から転んだであろう方向を見通してみると........

あれ?

クリッピングしているであろうセンターライン方向ではなく、道路の真ん中どころか、どちらかと言えば外側に伸びている!?

見通しが悪い右コーナーのクリッピングは対向車もある事から、最低でも自分の頭がセンターラインを越えない様なライン取りになり、タイヤが実際に通るラインはセンターラインから1.5m程度は車線中に入っていると想像できる。

だけどそれよりも明らかに外側にふくらんだラインを通っている?




左の写真は事故直後に友人が撮ってきてくれた写真だが、この写真でも赤点線で示した円内にキズが写っている。

ちょうど電線の影が路面に映し出されているので解りやすいが、キズの延長線上は車線上の真ん中より外側。

この写真も事故直後に友人が撮ってきてくれたものだが、上記写真に写っているキズの手前の路面にもキズがあり、ちょうど電線の影がキズと並行に路面に映し出されているので解りやすいが、キズの延長線上は車線上の真ん中より外側、そして何やら黒い編み目状のシミが路面に見える。

この写真も事故直後に友人が撮ってきてくれたもの。

そして電線の影は赤点線で示した円内の、黒い編み目状のシミの上を通過してる。

これは10/19本日の写真。

黒い網目状のシミは道路に入った亀裂でした。


こうやって写真で見ても大したことはないように見えます。たぶんバイクで走行していれば、路面のシミにしか見えないでしょう。


ただし、バイクのタイヤが通るであろうラインから30センチほど外側に、進行方向に3m以上、幅の広い亀裂が走っています。

路面にカメラを近づけてみると。


写真左側は沈んで低くなり、右側のセンターライン側は高くなっており、段差は高いところで2センチ程度は有ります。



もしも内側の高い位置の角を、前輪が踏み外せば.............

亀裂の幅も広いところは10センチ程度。


この上を
バイクがフルバンク状態
よわkm/h(日本語キーボード参照)
タイヤにもしっかりとコーナーリング荷重がかかった状態で通過すれば、たぶんひとたまりもないでしょう。

この亀裂はいつ入ったのか?


2011/3/15東日本大震災から4日後に発生した富士宮直下地震(震度6強)で入った亀裂に間違い有りません。

この地震では富士宮市内にも大きな被害を出しましたが、この道路でも至る所で路肩崩壊が起こり、この右コーナーの次の左コーナーの下り車線も(盛土部分)半分ほどが崩壊して崩れ、しばらくの間は片側交互通行になっていましたから。

この場所もコーナーの外側は盛土です。

車線幅を計ってみたら3.3m

センターラインから亀裂までは1.8m


事故を起こした日も、何度も往復して走りましたが、通常の走行ラインでは、この亀裂の内側(センターライン側)を走ることになり問題は無かったのでしょう。

そして事故を起こした走行では、何らかの原因でラインが外側に30センチほどふくらみ、この亀裂の上を前輪が通過してしまったと。






2011/10/19 雑感

現場を見たことで、フロントタイヤを滑らせて転んだ原因はコレに間違いないと確信しました。



正直、うかつでした。
ここのコースは片道5km程の長さがあるのでまさか全部を歩いて路面を確認するわけにもいきませんし、ホームコースという「慣れ」が「慢心」を生んでいたのかも知れません。
油断していました.............


事故当日に警察が実施した現場検証では、リア・タイヤの接触痕が付いたガードレールの支柱から20m離れた路面に最初の擦過痕が有り、ここが転倒地点と記述されていました。
転倒地点からさらに路面の亀裂までは7m離れており、数字的にもつじつまが合います。
参考までに速度から換算すると秒速25m
人間がぶつかった支柱はタイヤ痕の付いた支柱の奥8mですからまとめますと

 0m地点  路面の亀裂
 7m地点(0.28秒後)  路面に付いた最初の擦過痕
27m地点(1.08秒後)  タイヤ痕の付いた支柱
31m地点(1.24秒後)  ステアリングステムが激突した支柱
35m地点(1.40秒後)  人間が激突したガードレールの支柱


コーナーリング中に何らかの理由で通常の走行ラインより30センチほど外側にふくらんでしまい、前輪が路面の亀裂の上を通過と同時にフロントタイヤのグリップがすっぽ抜け7m先で転倒、バイクは20m滑走してリアタイヤが最初のガードレールの支柱に接触し、さらに4m滑走して次の支柱にステアリングステム周辺から激突して向きを変えてガードレールと路面の隙間をくぐり抜け、盛土斜面を2m程落下して停止。

人間は転倒地点から路面を28m滑走してバイクが激突した支柱の1本奥の支柱に激突して向きを変え、ガードレールと路面の隙間をくぐり抜け、盛土斜面を2m程落下して停止した。

警察での調書はこれとほぼ同じ内容で作成され、サインをしてきました。








前のページで原因不明と記した「リア・ホイルの削れ」だが、


現場に行ってみたら原因がわかりました。

バイクのステアリングステム周辺が激突したガードレールの支柱の2m程下(赤い点線で示した円内)に岩があり、

よく見てみるとコケが剥がれ落ち、何かで削られた白い跡が残っていました。
(赤い点線で示した円内)

この岩でリア・ホイルの側面が削られたのだと想像できます。


これで全ての謎が解けたかな!?


















私が事故を起こした地点から同じ道路上を8km登った地点で起きた事故です。
場所は西臼塚駐車場の直前のカーブ。

私の事故からちょうど4週間後、曜日も同じ土曜日。

何のことはない平凡な左高速コーナーで100km/hぐらいなら普通に曲がって行けるカーブです。
この道路では、5年ぶりの死亡事故。私が記憶している20年間でも死亡事故は数件しか起こっていないのに............



ご冥福をお祈りいたします。