「またまたやってしまいました」のPart2です





08/14 日曜日 入院2日目


05:30 採血、モニター継続、止血剤入輸液の継続投与、酸素吸入2L/min、

その後も3時間毎?採血複数回。脱水症状?唇の皮がべろんとむける。死線を彷徨うこと二日目、どうやら予断を許さない状況は脱したようです。今一番の問題は半分に、ちぎれかけた肝臓ですが、どうやら大きな出血は止まったようです。次が腎臓。こちらも昨日は血尿というより血液そのものが導尿カテーテルの管を通っていましたが、今は赤色がかなり薄くなりました。あと肺もダメージを負ってレントゲンでは真っ白、呼吸が苦しく酸素吸入のチューブはまだ外せません。骨盤は右側の腸骨の部分が縦横方向に複数の骨折線が走り、複数のパーツに割れ、そこからの出血が右横腹に血腫を作り、大きな濃紺の腫れが出来ています。最低一ヶ月は寝た切りだと言い渡されました。あと肋骨が2・3本折れているようですが、こちらは後回しで詳細は不明です。右手親指も骨の角が欠けるような骨折。







08/15 月曜日 入院3日目


05:30 採血、モニター継続、止血剤入輸液の継続投与、酸素吸入2L/min

入院3日目。3日間飲まず食わずなので胃が痛い。すごくお腹がすいた。ちなみに俺が入院している部屋はICU隣の重症患者専用個室。写真のモニターに写っている数字は上から脈拍、血中酸素量、血圧、呼吸数。腹腔内で出血があると血圧が下がるので命のバロメーターみたいなもんでしょうか。


08:00 少量の水分の経口摂取の許可が!ポカリ旨し!採血・朝昼晩の3回。


09:51 子供と再会。娘も泣くが、俺も泣いてしまう。


16:00 夕方に新たな重症患者が入院。私は重症患者専用の個室を追い出され、差額ベッド代が必要な通常の個室へ引越。看護婦さんいわく、要注意人物程度まで格下げだそうです。引越と同時に医療モニターの各種センターも外され、体から出ている管の数も半分に減りました。

結局緊急手術どころか、輸血さえも施されずに、止血剤入の輸液を連続投与されただけ。
ボーダーラインとなる一線をギリギリで越えずに踏みとどまったのは、頑丈な骨と内臓だからこそ。育ててくれた親に感謝。
そして最終的に4泊5日、まさに付きっきりで膝の上げ下ろしなど、看病をしてくれた妻には本当に感謝している。








08/16 火曜日 入院4日目


05:30 採血、血圧、体温、血中酸素濃度、脈拍を手動で計測。止血剤入輸液の継続投与、酸素吸入2L/min

入院4日目の朝を迎えました。外界と隔離され、絶食も4日目となると体力的にも精神的にも参ってきます。なんせ寝返りさえ打たせてもらえない状態で点滴が唯一の栄養源なので。
今日の血管造影CT検査によっては、もう少し人間らしい生活になれるのではないかと期待しています。


10:00 第2回血管造影CT検査の為に2階の外科病棟から1階の検査室へ寝ているベッドごと移動。絶食4日目だからか嗅覚が敏感に。廊下やエレベーター、売店前を通る場所によって臭いが違う。
血管造影CTとは、造影剤を連続投与されながらCTの機械で撮影するというもの。今日の造影剤は体がほてる。撮影後少しだけ気分が悪くなった。

12:00 ついに食事が再開!
しかも初回から五分粥に副食(おかず)付き!ただし量は半量
(写真取り忘れ)



夕方、看護師が血腫の大きさを確認しにきた時に、妻に脇腹に出来た血腫を携帯電話で撮影してもらい、その映像を見る形だが、自分自身の目で初めて確認できた。
入院直後から見てきた妻によると、大きさはかなり大きくなったけど、色はかなり薄くなったそうです。入院直後は「ナスの色」の様に濃い紫色で、この写真のように色ムラが無く、絵の具をこぼしたような感じだったそう。

毎回形状確認の為に看護師が油性のマジックペンで血腫の外形を直接体に点で書いていくのだが、写真からも段々と大きくなっている様子が見て取れる。

写真をクリックすると拡大画像が表示されますが、気持ちの悪い画像を見たくない方は要注意


18:00 夕食:五分粥半量









08/17 水曜日 入院5日目


05:30 採血、血圧、体温、血中酸素濃度、脈拍を手動で計測。止血剤入輸液の継続投与、酸素吸入2L/min

07:30 朝食:五分粥が全粥に!量は半量(ちょっと食べかけ)

マグミット錠 330mg 朝・昼・晩、食後に1錠服用開始(排便を助ける薬)


第2回血管造影CT検査の結果を回診時に聞く

昨日実施した造影剤CT検査の結果、半分にちぎれかけた肝臓と腎臓からの出血は止まり腹腔内の血腫は大きくなっていない。

肺挫傷で損傷を受け肺炎になりかかっていた肺は機能を回復しつつあるが3日間寝たきりだったこともあり、水が溜まり内蔵からの圧迫も受けて縮んでしまっている部分がある(無気肺)ので、電動ベッドで上半身を起こし、酸素吸入を続けながら肺の機能回復に努める。

骨盤は右側の腸骨の部分が縦横方向に複数の骨折線が走り、複数のパーツに割れてはいるが、不幸中の幸いで大腿骨との関節部分には全く損傷が無く、大出血が継続しなかった模様。元々ここは複数の筋肉が貼り付いている場所なのでこれが最後の砦になったのか?ただし最初に起こった大出血に伴う直径約20センチ程度の脇腹にある血腫は2日間ぐらいは成長していたので、今後も経過観察予定。

肋骨は痛みからたぶん表と裏側2カ所が数本折れていると思われるが、医者いわく、痛い思いをして詳細な検査をして骨折箇所と本数を確定しても治療方法が変わるわけではないので無駄だと言われ詳細は未だ不明。

右手親指の付け根は関節の広がっているところが欠損するように骨折。現在は湿布も貼らずに包帯で巻いて保護してあるだけ。
消化器系の内臓は損傷を受けていなかったので4日間の絶食で済んだのだと思われます。


また肝臓は自己再生能力が強く、たとえちぎれかかっていても半年ぐらいでカサブタが重なるように自己再生し、大きくなりすぎたところを半年から1年程度で自己消化して元の形に戻ってくれるそうだ。
腎臓は自己再生能力は弱いのだが、この程度の損傷ならば3ヶ月程度で元に戻ってしまうだろうと説明された。
肺に関しては多少能力が落ちてしまうだろうが、日常生活には問題のないレベルまで回復するらしい。
なんにしても内臓に関しては2週間が一定の目処で、これを血液検査の数値を見ながら経過観察すれば日常生活レベルでの再出血の可能性は無くなり、3週間から1ヶ月程度でスポーツは出来ないものの、日常生活で起こる軽微なアクシデントに耐えられる程度にまで回復するとのこと。


骨盤の骨折に関しては大腿骨との接合部である股関節に損傷は見られず、現時点でも立ち上がるだけなら問題が無いだろうとのことで、根本的な歩行に関する後遺症は残らないだろうと言われた。骨折部位は骨盤の右側腸骨というところが座屈したように粉砕骨折している。ここには背中からや右足太もも裏側からの筋肉が集中して骨にくっついているところで、これらの筋肉を使わないようにして保存治療すれば3ヶ月程度で日常生活に問題のないレベルに回復するらしい。骨全般に言えることだが、骨盤も自己再生し、3ヶ月から半年程度で元の形より骨折箇所が太くなるように再生し、その後1年程度で自己消化して元の形に戻るだろうと言われた。





後日ネットで色々調べてみると人間の体の中でも最上位で重要な部位であることが判明

肝臓 Wikipedia
肝臓は、腹部の右上に位置して、ほぼ肋骨の下に収まっており、頭側(上方)には横隔膜が存在する。非常に機能が多いことで知られ、代謝、排出、解毒、体液の恒常性の維持などにおいて重要な役割を担っている。特にアルコール分解能があることで一般には知られている。また、十二指腸に胆汁を分泌して消化にも一定の役割を持っている。
働きは少なくとも500以上あるとされ、これと同機能を持つ化学工場は作れないとも言われるほど多機能であるため、人工臓器としての実用化が非常に難しい臓器である。
他方、臓器の中での部位による機能の分化が少なく、一部に損傷があっても再生能力が強いため、その損傷などがあっても症状に現れにくい。自覚症状が出る頃には非常に悪化していることもあり、「沈黙の臓器」などと呼ばれることがある。
肝臓は肝動脈と門脈の2つの血管により栄養を受け、血流は肝静脈から肝外へと流れる。肝動脈は、大動脈から分岐した腹腔動脈の枝である総肝動脈が固有肝動脈となり右肝動脈と左肝動脈へと分かれて肝内へ入る。


腎臓 Wikipedia
ヒトの両腎臓は体重の0.3%を占めるに過ぎないが、心拍出量の20-25%を受け入れる。腎血流量は800-1200ml/分にも及ぶ。ごくわずかな部分が腎臓自体のガス交換、栄養・老廃物交換に用いられるが、ほとんどは糸球体での濾過を目的とする。腎臓に流入するほぼすべての血液は、大動脈から直接分岐した腎動脈に由来し、流出する血液は下大静脈に到る腎静脈を経る。

「肝腎要」かんじんかなめ「肝心」と表記する方が多いが、肝臓、腎臓、心臓は人間にとって重要な臓器であることを示している。
肝臓にしても大動脈から直接血液を受け入れており、特に腎臓においては上記にあるとおり、心臓が送り出す血流の1/4を腎動脈から受け入れている。もしも損傷が動脈部分に集中し、大出血していたらと思うとゾッとする。


腸骨 Wikipedia
腸骨には人体でもっとも大量の骨髄が存在し、血液のおよそ半分は腸骨で作られる。

腸骨に接続している筋肉
腸骨筋、大殿筋、中殿筋、小殿筋、、大腿筋膜張筋、腰方形筋、内腹斜筋、腹横筋、外腹斜筋

骨盤骨折
総腸骨動脈・内腸骨動脈の近傍での骨折はそれらの動脈を傷つけ、致死的な腹腔内出血を起こす。 交通事故や転落事故に於いては、頸椎損傷・胸部外傷に次いで重篤な事態であり、それらに次ぐ優先度で骨盤の動揺・圧痛の有無を確認し、骨盤固定処置を行わなければならない。

骨盤骨折=大出血=ショック状態。これは事前に私も知っていた事実だが、改めて調べて確認してみるとゾッとする。

後日、看護師が「奇跡的な」と表現していた理由がこれを調べてみてやっと解った気がした。





先にも書いたが、結局緊急手術どころか輸血さえせずに、止血剤の投与だけで、あとは俺の体が元々持っていた治癒力で治してしまうということなのだ。
ドクター曰く、元々健康な人ならば「こういうもの」なのだそうだ。




12:00 昼食

13:00 体の左側は無傷なので子供と抱擁。まだベッドから起き上がれないので、浴衣を前後ろ反対で着ています。


18:00 夕食(ちょっと食べかけ)


私が病室を移った日に入れ替わりに重傷者専用個室に入院された方が亡くなりました。
そうか、重傷者専用個室ってのは突発的に入院して来て尚かつ急変の可能性が高い患者専用で、家族が看取るのにも都合がよい部屋になっているってことか?
本日3食、全粥半量。








08/18 木曜日 入院6日目

05:30 採血、血圧、体温、血中酸素濃度、脈拍を手動で計測。止血剤入輸液の継続投与、酸素吸入1L/min

14:00 私の視界から点滴が消えました!ちょっと休憩だそうです。
これで体から生えている管は酸素吸入のチューブと導尿管カテーテルの2本だけになりました!導尿管カテーテルはしばらく取れそうに無いけど早くはずしてもらいたいな。


16:35 脇腹に出来た血腫の経過観察。大きさ、形の変化を見る為に看護師が直接体へマジックで輪郭を書き込んでいる。
相当に大きくなっているが、新たな出血ではなく、腹腔内に溜まっていた内出血が行き場を失い、染み出てきているとの事。

もちろんこの段階ではオムツです。

写真をクリックすると拡大画像が表示されますが、気持ちの悪い画像を見たくない方は要注意

本日3食全粥半量





20:10 子供達が私の為に絵を描いてきてくれた。本当にありがたい。









08/19 金曜日 入院7日目

05:30 採血、血圧、体温、血中酸素濃度、脈拍を手動で計測。酸素吸入1L/min

07:30 朝食:全粥半量

ロキソニン錠 60mg 朝・昼・晩、食後に1錠服用開始(鎮痛剤)
ムコスタ錠 100mg 朝・昼・晩、食後に1錠服用開始(鎮痛剤併用胃薬)


09:30 ベッドの上で、しかも「ちり取り」の上にう○こ。なんと7日ぶり。

10:00 止血剤入輸液1本のみ投与

12:00 昼食:全粥半量


食事注文書。朝食と夕食はA、B2種類から事前に選んで注文することが出来る仕組み


血液検査の結果、前日まで少しずつ減り続けていた数値が初めてフラット(前日同様)になる。出血が完全に止まった?

18:00全粥が普通のご飯に!量は半量


19:34 給食が普通のご飯になったのはよいのだが、量は半分、絶対的に足らないので夜食にオニギリを1つだけ









08/20 土曜日 入院8日目

05:30 採血、血圧、体温、血中酸素濃度、脈拍を手動で計測。酸素吸入1L/min

07:30 第2回レントゲン撮影。病室に自走式のレントゲン撮影機材が来てくれて胸をレントゲン撮影

07:40 朝食

くしゃみをしたら痛みでしばらく動けず。回診時にドクターに言ったところ、実際にくしゃみで手術跡が開いてしまって再手術になってしまった例も有り危険とのこと。
また肺挫傷から来る無気肺、溜まった水は改善している。

10:00 止血剤入輸液1パックのみ

12:00 昼食より食事量が半分量から通常量に。以後、全量普通食に。


暇、まじヒマだわ。なんもやること無い。入院ちょうど一週間、この先どうしよ!ちなみに足の甲に書かれた×印は動脈の有る場所。内臓で大出血してると、ここで脈が振れなくなるんだって。毎朝血圧を測る際に指で触れ必ず確認していく。


18:00 夕食









08/21 日曜日 入院9日目


05:30 採血、血圧、体温、血中酸素濃度、脈拍を手動で計測。酸素吸入1L/min

09:00 止血剤入輸液1パックのみ(最終)

午前中に点滴用に手首に残してあったラインがはずれた。これで体から出ている管は導尿カテーテルと酸素吸入の2本のみ。正直うれしい

脇腹に出来た血腫に新たな血液は供給されなくなった。体の中では内出血を細胞が消化吸収しつつあり、血液検査にもその兆候を示すデータが出ているとのこと。


写真をクリックすると拡大画像が表示されますが、気持ちの悪い画像を見たくない方は要注意

19:50 疲れて眠ってしまった娘。みんなに苦労をかけています。すまん。









翌日の報告へ続く。。。。