ひとこと、やってしまいました........


過去、バイクでは数々の単独転倒歴はあるものの、いわゆる”相手”のいる事故はバイクでは起こしてこなかったというのに、ついにやってしまいました。
そう、それは昨日の土曜日、2002年4月27日の夕方6時過ぎでした..............
 

どうせばれるので、報告しちゃいますが...........
やってしまいました!(爆)

4月27日、午後6時30分頃、バイク屋に預けてあったCB1000SFを取りに行き、調子よく家に向かっておりました。
富士市から富士宮市へ延びる県道176号を北進、JR身延線・富士根駅周辺を通り過ぎるころ、前方10m程の、左方向のブロック塀の影から濃い青色の車が一台ひょっこり顔を出し、ちょこんと止まる。
うげ!まじか!!その瞬間進路を中央寄りに寄せながらフルブレーキ!!頭の中でそのまま止まっていてくれと願うも、0.5秒もたたずにその車は前方左から右折して来ようと目の前に!!

車を発見してから1秒もたたないうちに、左から出てきた車の右フロントタイヤとバンパーの間ぐらいに吸い込まれるように.................よけられない..............

その瞬間、衝撃を感じる間もなく俺のカラダはハンドルで踏ん張っている手首を中心に空中へ........
空が見えたと思ったら背中から着地、一瞬気を失い掛ける。
やっちまった..........



一瞬息が詰まり、目の前に広がるのは空のみ。どうやら道路の真ん中で仰向けの状態のようだ。
周りがやけに騒がしい、息が苦しいので状況を把握しようと体を起こそうとするが、両手両足に激痛が走り、体を起こせない。
自分の体のダメージを確認するように右手、左手、右足、左足と順番にゆっくり動かしてみるが、激痛は走るものの、どうやら折れてはいなそうだ......首もしっかり動くし、背中にはとりあえず激しい痛みは感じない。どうやら致命的なダメージはなさそうだが、相変わらず息苦しく下腹部が痛いし、ちょっと気持ち悪くなってきた。

仰向けの体制から少し楽な姿勢になろうと、救命救急法で習った安静体位である横臥位になると、少し落ち着いてきた。
ここまでで3分ほど経っただろうか、周りがやけに騒がしいものの、誰も俺に近づいてこない......
う〜ん、そんなに俺の状態が悪く見えるのだろうか......と、しばらくすると男性が近づいてきて、「大丈夫ですか?」と声を掛けてくれたので「とりあえず生きてます....」と答える(笑)
ここでCBの事が気になり、少しもがいてぶつかった地点を見ようとしたが、体のあちこちが痛く、うまく体の向きを変えられない。でも、一瞬見えた光景の中には、俺から10m程離れた場所にフロントバンパーがもぎ取れそうになっている車は見えたものの、バイクは見えなかった。
と、またしばらくすると、一人の男性が近づいてきて道路に横たわっている俺の体の回りに、チョークのような物で、体の形に線を引いて行くではないか!!「お〜い!俺は生きてるぞぉ〜!!」っと、心の中で叫ぶも、体がつらいので、もうどうにでもしてくれってな気持ちで道路に横たわったままじっとしている。

今度は女性が背中の方から近づいてきて、かぼそい声で「だいじょうぶですかぁ〜!!しっかりしてくださいぃ〜!」と、明らかに動転した感じで声を掛けてきた。
心の中で「そうか....ぶつかった車の運転手はこの人か」と感じながら、今度は「なんとか大丈夫ですよぉ〜」と、小さな声で返事した。
そうこうしていると、遠くから救急車の音が聞こえてきた。
自分の間近に救急車が止まり、あわただしくガチャガチャと音を立てながら担架と救急隊員が近づいてきた。
簡単な質疑応答に答えながら、担架の上に載せられ、あっという間に救急車が動き出す。

右手の指にバイタルを取るクリップが付けられ、テレビドラマで良く聞く「ピコッピコッ」って音が間近に聞こえる。
真上を向いていると下腹部が痛いので担架の上で左を向くと、目の前に心電計と血圧計が動いていた。血圧が50/110ぐらいで上下に振れている。「俺って事故起こしたばっかなのに、平常血圧じゃん」とか思いながら(笑)救急車に揺られていると、車が止まった。どうやら病院に到着したようだ。
救急車から運び出されて、建物の中に入る時にちらっと屋外が見え、その様子から救急医療センターだと解った。事故現場からここまで普通の車なら10分以上かかるのに、救急車に乗っていた時間は5分以下に感じた。さすが救急車は速い!(笑)
そのまま処置室に運び込まれ、シャツとパンツのみ残して服をはぎ取られ、質疑応答形式で痛いところを順番に診察、すぐに車イスに乗せられ隣の部屋のレントゲン室へ。両手首と両足首周辺をそれぞれ2枚ずつ撮影していくが、今頃になって体に震えが来て、左足首の撮影をしている時に「こりゃ手ぶれじゃなく、足ぶれレントゲン写真だな」とかレントゲン台に仰向けになりながら思った(爆)

レントゲン撮影が終わると、処置室隣のベットに寝かされたが、5分と経たずにもう一度処置室へ。
ここでベットから車イスに乗る時が大変!両手両足とも痛いので、とりあえず痛くない右ヒザと、右ヒジと体全体を使い「ひぃ〜ひぃ〜」うなりながら車イスに乗った。
処置室で怪我の状況を医者から説明を受けるが、今思い出すとあんまり覚えてないんだよな。やっぱ事故直後だから平静を装っても気が動転していたのかも。
とりあえずレントゲン写真で見ると左足首のくるぶしの骨にヒビが入っているが、その他の手足は大丈夫のようだ。先生の説明では、「左足首の関節が変に開いているので、靱帯も損傷しているかもしれないが、ここは救急なので、よく解りません。明日明後日は病院が休みだから、火曜日に医者に行って、ちゃんと見てもらってください」だって!(笑)う〜ん..........
と、その時、俺のレントゲン写真の隣にもう一枚....「お〜見事に折れてる!」って、俺じゃないよな?俺の後から来た男性の足でした。(笑)

治療は左足から始まり、銀色のロール状に巻かれた長細い袋で密閉された中から、巾10センチ程のグニョグニョしたガーゼ状のものを取り出して80センチ程に切り、俺の左足の裏とふくらはぎに裏側から当てがい、足の形に整形していくと、みるみる固まってきた。そう日本語で「副木」英語ではたしか「サムスプリント」って言ったかな。う〜ん便利な物があるものだ.......
そうこうしているうちに、左足は包帯でぐるぐる巻かれ、今度は左手。レントゲンでは特に異常が認められなかったが、メチャメチャ痛いので、こっちも当て木で固定した後包帯を巻く。右足は、かかとに湿布を貼りネットで固定。これで、治療は終わったので、車イスに乗せられ、処置室を出る。

看護婦さんから「家の人に車で迎えに来てもらってきてください」と言われたので、車イスでいったん外に出て携帯電話で連絡するも、すでに親父は酒を飲んじゃったとのことなので「タクシーで帰ってこい!」と宣告される。「おひおひ、どうやって帰るんだよ(笑)」と思いながらも、バイクのことが気になったので、ついさっきバイクを取りに行ってきたバイク屋さんに電話し、事情を話してバイクを取りに行ってもらえるように電話でお願いし、屋内に戻ってくると、そこには警察官が...............

俺と目が合い、おもむろに警察官の一人が両腕を前に広げながら右手でアクセルをひねる動作を.............たぶん、バイクに乗っていた人?と、ジェスチャーで聞いているのだろう?(笑)と思い、うなずくとそこから簡単な事情聴取が始まった。

警察官A「さっきの事故でバイクに乗ってた人?」
俺「そうです」
警察官A「とりあえず現場検証は終わったけど、どれぐらいスピード出てたの?」
俺「たぶん50キロ以上60キロ未満ぐらいでしょうか....」
警察官A「あそこの制限速度は知ってる?」
俺「40キロですか?」
警察官A「30キロだよ!ちょっと出し過ぎだね!」
俺「す、すいません。でも、まじで目の前に出てこられたもんで、何も出来ずにささりました....」
っと、一問一答で簡単な状況を聞かれたのみで、後は雑談程度......
ま、典型的な「右直事故」だから、事情を聞かなくても解るのかと自分で勝手に納得。

警察官B「ところで、ウィリーしてたんだって?」
俺「はぁ?......」
俺「ま、まさか、そんなことしてる訳無いじゃないですか!」 (心の中で苦笑い)
しばらくの沈黙.......
警察官B「ともかくこの程度の怪我で済んで良かったですね!安全運転をお願いしますよ!」
俺「は、はい......沈黙」(笑)

う〜ん、たしかに事故現場からさかのぼること1km程手前の信号で気持ちよくウィリーしたんだっけ!(笑)ちくしょう、俺の後を走っていた車の運転手が、チクりやがったな!......でも、そのあと、おとなしく走ってたのに!とか心の中で思いながら、立ち去っていく警察官の背中を見送る。

会計をしばらく待っていると、今度は事故当事者の女性が息子さんを伴って現れた。
お互いに連絡先を交換しあい、とりあえずそこでは会計を済まし(ま、後から賠償保険で精算となるから一時的な立て替えとはいえ、なんと31,790円!!(事故では健康保険は使えません))、脱がされた服やヘルメット等の荷物を事故当事者の女性に持ってもらい、俺はタクシーで、女性は息子さんの軽自動車で俺のアパートまで帰ってきた。

はぁ〜.........やっちまったと、反省しながらその日は床についた.......続く......2002年4月27日



バイクは基本的に大きな危険を秘めた乗り物です、安全運転をしなさいと言っても無駄なので(笑)、皆さんも事故には注意し、くれぐれもバイクで怪我などしないように、楽しく乗りましょう!
って、俺が言っても説得力ゼロだな!!(爆)



翌日の報告へ続く。。。。





     
     

 

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